「初心 忘るべからず」
室町時代に能を大成した世阿弥が「花鏡」に書き残した言葉で
一般的には
「物事に慣れてくると、慢心してしまいがちになってしまうが
はじめた時の新鮮で謙虚な気持ち、志を忘れてはいけない」
との解釈されていると思いますが
世阿弥が言った「初心 忘るべからず」は
もう少し複雑で繊細な意味を持っています。
「花鏡」には
是非の初心 忘るべからず
時々の初心 忘るべからず
老後の初心 忘るべからず
と書かれています。
世阿弥が言う「初心」は「最初の志」に限られていません。
人生にはいくつもの初心があると言っています。
「初心 忘るべからず」の他に
「珍しきが花」 「離見の見」 「秘すれば花」も
わかりやすく解説しています。
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「世阿弥 風姿花伝」 土屋 恵一郎 著